ぎっくり腰をやった人は分かると思いますが、あの痛みは、経験のない人には分からない酷い痛みです。
その痛みの原因は、「ブラジキニン」と呼ばれる物質にあることをご存知でしょうか?
痛みの仕組みが分かると、腰痛の改善方法も大きく変わってきます。酷い痛みに悩んでいる人は、ぜひお読みください!
腰痛は「体の構造」の問題ではない?
ヘルニアとは、「脱出」という意味になります。腰椎の椎間板が本来の位置よりも外に脱出していれば、椎間板ヘルニアと診断されます。
飛び出したヘルニアが神経を圧迫しているために、痛みが発生しているわけです。
医者から画像検査の結果を見せられて、そのように説明されたら誰も疑わないでしょう。腰痛の原因は「構造上の問題」ということになります。
しかし、それは「間違った医学の常識」だと指摘している専門家も多いのです。
腰の骨が削れて、尖った骨が神経に当たって痛い。ヘルニアが、神経に当たって痛い。
このような「医学的事実はない」のですが、なぜか医療現場では未だに「構造」の問題にスポットを当てており、レントゲンやMRIで身体構造の欠陥を探した上で診断がなされているのが現状です。
なぜ腰痛は、構造の問題ではないと言えるのか?
医者から椎間板ヘルニアだと診断されたのに、それは「間違った医学の常識」なんて言われたら困惑してしまいますね?
なぜそのように言えるのでしょうか? その理由については、下記のことが挙げられています。
椎間板ヘルニアでも痛みのない人はいる
これはよく言われていることです。画像検査をしてみると、椎間板に問題が出ているのに、腰に痛みを感じていない人も多いのです。
あるいは、手術をして椎間板の問題を取り除いたにも拘わらず、その後も腰の痛みが消えない人もいます。この説明がつきません。
一日中、腰が痛むことはない
また、腰の構造に問題があるのならば、それを治さない限り痛みは続くはずです。しかし、実際には一日中、痛みが発生していることはありません。
朝は痛むけれど、夜には痛みが緩和されていることはよくあります。本来ならば、24時間同じように痛みが発生しているはずなのです。
痛みの原因は、ブラジキニンの発生にある
構造上の問題で痛みが発生していないのならば、本当の痛みの原因は何なのでしょうか?
意外に聞こえるかもしれませんが、必要があって痛みは発生しているのです。なぜならば、人間は痛みを感じないと、自分の体の異常に気付かないからです。
そう考えると以下のように、痛みの原因とともに、痛みの仕組みも理解できるようになります。
痛みの物質「ブラジキニン」が発生する理由
実は、腰痛の痛みは、組織の損傷や炎症が起こしている痛みではありません。痛みを感じさせている物質の働きによるものなのです。
筋肉が緊張すると、乳酸(疲労物質)が溜まります。さらに「ブラジキニン」と呼ばれる物質を出すように、脳に信号が送られます。
このブラジキニンが、神経細胞に作用して痛みを感じさせている物質の代表なのです。
ブラジキニンは筋肉が緊張して、血管が細くなり、体内に酸素が行き渡らなくなる状態になると発生します。
そのような状態を放置していたら、栄養不足のために組織が死んでしまうので、体が危険信号としてブラジキニンを発生させているのです。
お風呂に入ると痛みが緩和される
慢性の腰痛の人で、お風呂に入ると痛みが緩和されるという人はいませんか?
体が温まると、自律神経の副交感神経が働きます。そうなるとリラックスした状態になるので、緊張していた筋肉がゆるんで、細くなっていた血管も広がります。
体に酸素や栄養が行き届くようになるので、痛み物質のブラジキニンを発生させる理由がなくなります。その結果、痛みが緩和されるわけです。
また、お湯の中では浮力が働くので、腰や股関節、太ももなどに掛かっていた負担を分散できる効果もあります。
ストレスによる腰痛の仕組み
腰痛の原因に、ストレスを挙げる専門家は数多くいます。でも、そうは言われても、漠然としていてよく分かりませんよね?
実は、腰の痛みとストレスの関係についても、ブラジキニンの発生で説明が付くのです。
人間は嫌なことがあると、ストレスを感じます。ストレスを感じると緊張して、体が縮こまったような感じになります。
このために、硬くなっている筋肉をさらに硬くしてしまうのです。それがブラジキニンを発生させてしまう状況を作っています。
ストレスが溜まるとブラジキニンの発生がして、それが痛みの原因になっているのだな、と考えれば分かりやすいと思います。
筋肉をやわらかくし、ストレスを抱えない
腰の痛みの原因は、筋肉の緊張により、痛み物質(おもにブラジキニン)が発生しているためであると書きました。
実際に、腰痛や肩こりに悩んでいる人は、自分の体が緊張している(硬くなっている)ことを自覚しているのではないでしょうか?
では、「どうすれば良いのか?」については、以下の2点に集約できます。
筋肉をやわらかくする
デスクワークの人も多いと思いますが、座りっぱなしの姿勢は良くありません。筋肉は動かさずにいると、血行が悪くなり、緊張してしまう性質を持っているのです。
適度に休憩を入れて、筋肉を緊張させないために、体を動かしましょう。
筋トレを始める人もいますが、腰痛は鍛えて治るものではありません。筋肉をやわらかくすることが大切です。
腰痛改善のために開発された体操やストレッチも様々にあるので、自分に合った方法を試してみてはいかがでしょうか?
ストレスを抱えない
現代はストレス社会と言われています。それを証明するかのように、日本には2,800万人もの腰痛患者がいると言われています。
ストレスは体の筋肉を緊張させてしまうのです。体が縮こまった状態になるので、それが姿勢の崩れにも繋がり、ますます筋肉を緊張させてしまいます。
現在、腰痛に悩んでいる人は、痛みを消そうとして、腰痛に対抗するような意識になっていないでしょうか?
腰痛は必要があって、体がSOSを知らせてくれているのだと受け止めたほうが、心も穏やかになり、ストレスを減らせると思います。
原因を正しく知れば、改善の方向性が見えてくる
腰痛を治す具体的な方法については、当サイトでも数多く触れていますが、まずは原因を正しく知ることが大切です。
それによって、腰痛改善の方向性が見えてくるのではないでしょうか?
あとは自分で腰痛を治していく!という決意をすることです。
そして自分の症状に合わせて、筋肉をやわらかくし、心にストレスを抱えない方法を探っていけば良いわけです。
長い間、腰痛に悩んできた人でも、あきらめずに腰痛を治していきましょう!