腰痛持ちの人は、「自分の腰痛を改善させるためには、何が効果的なのか?」と、様々に情報を探していると思います。
腰痛改善の方法については、まさに百家争鳴の状況にあり、様々な立場の人が様々に腰痛の改善方法を述べています。
でも、あまりにも情報が溢れていて、何から始めて良いのか分からなくなっていませんか?
腰痛に悩んでいた当時の私もそうでした。ネットで検索したり、書籍を買い込んだりして、いろいろ調べてみても、最初のうちは余計に混乱してしまいました。
そこで今回は、日本整形外科学会と日本腰痛学会が監修している『腰痛診療ガイドライン 2012』に書かれている重要な箇所をご紹介します。
これは全国の医療関係者が参考にしている最新の研究報告書であり、ここに書かれている内容が、現在の日本の腰痛治療の指針となっています。実は、これを読むと、腰痛に対する治療の考え方が、以前とはガラリと変わっているのです。
昔の知識で腰痛対策をするよりも、最新の医学的根拠に基づいた腰痛改善方法を試した方が、やはり賢明ですよね?
関心のある方は、ぜひ、続きをお読みください。最新の医学的根拠と書きましたが、決して難しい内容ではありません。
腰痛の改善に効果がある運動療法
まず先に、勘違いをする人も多いようなので、念のために書いておきますが、整形外科とは顔の美容整形をするところではありません(笑)
整形外科は、首から下の運動器(手足と胴体)を治療する診療科です。腰痛になって病院に行くと、まずは整形外科に通されます。
人間は、運動器が正常に動いてこそ、人間らしい生活ができます。腰痛になった途端に、日常生活に支障をきたすのですから、腰は人間生活の要なのです。
ここで注目したいのは、腰は運動器だということです。動いてこそ、ちゃんと機能するのです。
「腰痛は安静が一番」は昔の話
さて、腰痛に対する治療の考え方が、以前とは何が変わったのでしょうか?
前述した腰痛診療ガイドライン2012には、「腰痛は安静にして様子を見るよりも、痛みに応じた範囲で活動をしたほうが早く改善する」という主旨のことが明記されています。
少し腰痛について勉強すると、すでに多くの書籍に同様のことが書かれているので、今さら当たり前の常識だと思う人もいるでしょう。
でも、この考え方は、ここ十数年で腰痛に対する治療方法が、大きく見直されたことを意味しているのです。それ以前には、「腰痛は安静が一番」という考え方がされていました。
腰は運動器なので、運動を止めたら、機能は低下していきます。車も長い間、運転をしないで放置していると、調子が悪くなりますね?
過剰に安静にすると、逆に運動器としての腰の機能を低下させてしまい、その結果、痛い腰がさらに痛くなっていくという、悪循環に陥ってしまうことが研究結果で判明したのです。
腰痛の改善には、運動療法が重要
腰痛の治療には、マッサージや電気治療、牽引療法、鍼灸、痛み止めの薬の投与などがあります。これらの共通点は、何でしょうか?
それは、どれも受け身の治療方法だということです。患者は先生から治療を施してもらう以外にありません。
その逆に、運動療法があります。これは受け身ではなく、自分で行うものです。自分の体を動かせるのは、自分以外にいないので当然でしょう。
現在では、腰痛の発症後には過度に安静にするのではなく、この運動療法を取り入れることが推奨されるようになりました。
このため患者には、「自分で腰痛を治していこう!」という意志が求められます。これには手間も時間も掛かりますね?
患者は素人なので、腰痛の治療は、専門家に全面的に頼りたい気持ちがあるとは思います。
でも、その専門家の整形外科医たちが、運動療法が重要であるという結論を出したのですから、これからは医師に頼ってばかりではいけないのです。
考えてみれば、自分自身で治せる要素が残されているということは、患者にとって希望になるのではないでしょうか?
運動療法が痛み物質を排出させる
なぜ運動療法が勧められるようになったのでしょうか? それは腰痛の原因を考えてみると分かります。
筋肉が緊張した状態になると、筋肉内には乳酸などの疲労物質が溜まります。また、血行が悪くなるため、酸素や栄養素が細胞に行き届かなくなります。このような状態が痛みの原因を作り出しています。
では、どうすれば良いのかと言えば、自分の力で筋肉を動かすことです。
そうすると筋肉が収縮し、血行が良くなって、筋肉に溜まっている痛み物質(疲労物質)を排出してくれます。同時に、酸素や栄養素も細胞に運ばれます。
マッサージにも同じ効果はありますが、自分で筋肉を動かすのと、他人に動かしてもらうのとでは、やはり違うのだそうです。心理的にも、自分で治すという意識を持ったほうが、改善がしやすくなります。
とはいえ、一日中立ちっぱなしの仕事をしていて、慢性的に足のむくみや疲労を感じている人も多いと思います。
そのような状態で、さらに運動をしろというのも無理がありますし、方法を間違えると逆効果にもなりかねません。そのような人には、医療効果が示されているマッサージ機器があります。
ゆったりとした気分で仕事の疲れを癒し、太もも、ふくらはぎ、お尻、腰など、張っている筋肉の痛みを緩和させる方法も試してみてください。
動ける範囲で動くことが大切
運動療法が良いと聞いても、では具体的にどうすれば良いのでしょうか?
運動を始める時期や運動量、方法は、個人によって異なってくるのは当然ですが、以下を参考にしてみてください。
運動を始めても良い時期は?
痛くて身動きができない時期は、さすがに安静にしてください。それが2~3日の人もいれば、症状が重いと一週間以上、動けない人もいると思います。
このため、「動ける範囲で動いてください」と言うしかありません。痛みの強さは本人にしか分からないので、時期を明確に示すのは難しいのです。
私の場合は、かなり痛みが激しい状態であったのに、腰痛を甘く見て遠出をしてしまったために、症状を悪化させてしまいました。これは無理をしてしまった失敗例です。
あの時、動ける範囲で慎重に動いていたならば、ずいぶんと違う結果になっていたと思います。
痛くて動けないのに、無理をしてまで病院に行く必要はありません。病院なら何とかしてくれる!と思い込んで、痛みをこらえて死ぬ思いで行っても、たいていは湿布をもらって帰って来るだけです。
病院に行くならば、少し痛みが落ち着いてからで大丈夫です。その後は、動ける範囲で動いてみてください。
腰痛ベルト(骨盤ベルトやコルセット)には腰を守り、腰部のバランスを保つ効果があります。動きの妨げにはならないので、まだ痛みが残っている時期には装着することをお勧めします。付けると付けないでは大違いです。
どんな運動をすれば良いのか?
運動療法と言っても、いきなり筋トレを始めたり、ジムに通ったりすることを勧めているわけではありません。文字通り、「体を動かしてみる」という認識です。
例えば、寝床で安静にするのが一番とばかりに、家族に「お茶をちょうだい」と頼むのではなく、少し痛い程度ならば、自分で歩いてお茶を飲みに行ってみてください。
最初はこんな感じで、少しでも動ける範囲で動いてみることです。
特に、慢性の肩こりや腰痛の場合には、運動が効果的であることが医学的にも実証されています。
では、「どんな運動が良いのか?」という話になりますね? でも、腰痛診療ガイドライン2012には、運動の種類によって改善の違いはほとんど見られないと書かれているのです。
そうなると、自分に続けられる運動を選ぶことが、ベストになります。腰痛持ちになると、外出の機会も減りがちになるので、散歩を日課にしてみてはいかがでしょうか?
誰にでも気軽に始められて、運動につきものの苦痛もなく、気分転換ができるのでストレスも解消されます。
私の経験からしても、ウォーキングには腰痛改善の効果があると言えます。歩くことで、弱っている体全体の機能も高められます。
運動療法でおすすめの用具は?
運動療法に役立つグッズや器具は、探すとたくさんあります。但し、すぐに新商品に飛びつくよりも、すでに多くの人が効果を実証しているものを選んだ方が、リスクはありません。
その中でも、中川式ストレッチングベンチは、発売から18年経っても、未だに売れ続けているロングセラー製品です。
プロのスポーツ選手を始め、消防署、実業団陸上部、少年野球チームなど、様々な施設や組織に導入されて大きな効果を上げている点にも、高い信頼性があります。
腰痛になる原因の一つには、腹部と腰部のバランスが悪いことがあげられます。そして特に多いケースが、腹部の力が弱まっていることなのです。
中川式ストレッチングベンチを使用すれば、腹部と腰部のバランスが整えられて、弱っていた腹部の力を高めることができます。
首筋から足首までの関節や筋肉を、正しいフォームで一気にストレッチできるので、首こり・肩こり・腰痛が自然に解消されていく効果があります。
運動療法といっても、最初から過大に受け止める必要はありません。体が本来持っている機能を、取り戻すことが目的なのですから、まずは歩いてみる、筋肉を動かしてみる、などの基本動作を行ってください。
もっとハードな運動を勧める人もいますが、辛くて続けられなければ意味がありません。運動によって、腰の痛みが軽減したと感じたら、それを喜びとして、丈夫で健康な体づくりができるトレーニングにシフトしていけば良いと思います。
繰り返しますが、腰痛は安静にさえしていれば治るという昔の常識は、現在では覆されています。
このため、「今の自分にできる運動は何なのか?」と考えて実践することが、腰痛を改善させる効果的な方法なのです。