寝る時の姿勢は、仰向けが良いのか、うつ伏せが良いのか、それとも横寝が良いのか…?
腰痛になった時には、誰もが寝る姿勢に悩むと思います。「寝方が悪くて、なかなか腰痛が治らないのかな?」と考えたりもします。
寝ている時間は長いので、腰痛に及ぼす影響は無視できません。実際に、寝方によって腰に負担を掛けてしまい、体の歪みを作ってしまうことはあるのです。
では、腰痛になった時、腰に良い寝方とは、どのような寝方なのでしょうか?
腰に負担が掛からない寝方は「仰向け」
腰痛の場合の良い寝方とは、下記のように「腰に負担の掛からない寝方」になります。
一番自然で望ましいのは、骨盤と肩が平行になり、背骨もまっすぐな状態の寝姿勢。体のどこにもねじれがなく、ゆがむ心配もないからです。
『腰痛が治るのはどっち?』より
仰向け、うつ伏せ、横寝のうちで、上記に相当するのは「仰向け」になります。
確かに仰向けになると、背筋がまっすぐな状態になります。体のどこにもねじれはなく、腰への負担も少ないです。頭と首も自然な状態でキープできます。
では、うつ伏せはダメなのでしょうか?
うつ伏せの寝姿勢になると、呼吸をするために顔を左右のどちらかに向けなくてはなりません。このため、体にねじれが生じやすく、首や背中、腰などに負担が生じてしまいます。
実際に長い時間、うつ伏せで寝てしまい、体の節々が痛んだ経験をお持ちの人もいるのではないでしょうか?
腰痛体操やストレッチとして、うつ伏せの姿勢は効果を発揮することがあるのですが、長い時間の寝姿勢としては体への負担が大きいということです。
横寝は、ねじれ寝になる危険がある
横寝の場合はどうでしょうか? 横寝を勧める人もいますが、注意しなければいけないのは「ねじれ寝」になりやすいことです。
ねじれ寝とは下記の写真のように、腰をひねった格好で、走っている姿のような寝姿勢です。
ねじれ寝の問題は、左右の足が開いていることです。この状態は、股関節や骨盤まわりの筋肉が左右不均衡に引っ張られたり、圧迫されたりしています。
このため、腰椎部から骨盤の歪みが大きくなってしまいます。大きな抱き枕を抱えて寝ると、こんな感じになりやすいですよね。
但し、両足を閉じた状態の横寝であるならば、上記のような問題はありません。とはいえ、寝ている時ですから、意識して足の状態をコントロールするのは難しいです。
横寝は、腰が痛む時には楽な姿勢ですし、イビキを予防するなどの利点もあるのですが、ねじれ寝になりやすいという欠点があるのだと覚えてください。
自分にとって楽な姿勢を見つけて寝る
腰痛の場合、良い寝姿は「仰向け」であり、特に悪い寝姿は「ねじれ寝」であると書きました。それが結論にはなるのですが、但し、誰にでも良い寝姿はないのだと思います。
なぜならば、理想的な仰向けであっても、腰痛が酷い場合や、腰の反りが大きくなっている人には負担が生じる寝方になります。また、仰向けの寝方はイビキをかきやすくなる欠点もあります。
腰に負担が掛かっているかどうか、腰が痛むかどうかは、人に聞くよりも自分で分かることですよね? そう考えると、「自分にとって楽な姿勢を見つけて寝る」というのが一番の正解なのだと思います。
実は、人間の体は、二本足で立っている姿勢のほうが機能しやすい作りになっています。寝ている時よりも、立っている時のほうが体は正常に動いているのです。
寝過ぎると体の調子が悪くなるのは、人間にとって寝ている状態が、決してベストではないことを物語っているのだと思います。
睡眠中は休養をしていると同時に、大きな負担やストレスも抱えているのです。矛盾しているようですが、どのような寝方をしても、これは避けられないと思います。
ちなみに、イギリスのウォーリック大学が、100万人以上の人々を対象に行った睡眠に関する研究を発表しています。
それによると、「8時間以上睡眠をとる人は、6〜8時間睡眠の人に比べて、早く死亡するリスクが高くなる」という驚きの結果を報告しています。
100万人以上から得た調査結果ですから、信憑性はありますね。生きていく上で睡眠は必要ですが、その一方では、睡眠時のリスクも抱えているわけです。
寝返りにも意味がある
残念ながら、睡眠中に寝ている姿勢をコントロールすることはできません。寝付いた時の姿勢は良くても、無意識に寝返りを打ってしまうからです。
本人は気付かないだけで、寝ている間に腰に負担の掛かる寝方をしている場合もあります。だからと言って、「寝相を治せ!」と言われても、なかなか難しいですよね?
では、寝返りをせずに良い寝姿のままで、ずーっと朝まで寝たほうがよいのか?と言うと、そうでもないのです。なぜならば、寝返りにも意味があるからです。
どんな寝姿でも、必ず体のどこかが圧迫されています。敷布団に接している部分に、集中して体重が乗ってしまうためです。
圧迫されている時間が長いと、その箇所の血管が押し潰されているために血行不良が起きます。
筋肉は長く動かさずにいると硬くなるという性質を持っていて、それが腰痛の原因になっているのですが、元を辿れば血行不良が原因なのです。
このため、寝ている時にも、適度に筋肉を動かしたほうが良いのです。
人間は通常、一晩に20回以上、寝返りを打ちます。これは血行不良などの睡眠中のリスクを減らすためであり、ちゃんと意味があって、無意識に寝返りを打つように出来ているわけです。
腰痛に良い寝具は、高反発マットレス【モットン】
人間の理想の睡眠時間は、7時間程度と言われています。
長い時間、寝床の中で過ごしているわけですから、「なるべく腰に負担の掛からない寝具はないか?」と誰もが考えると思います。
では、一般的に良いとされる寝具の条件は何でしょうか?
それは、寝た時に体重をなるべく分散できる寝具です。体の圧迫によって生じる血行不良のリスクを軽減できるからです。
圧迫感が減れば、寝ている時のストレスも減るので、快眠もできるようになります。
実は、腰痛には「心因性の原因(ストレス)」も指摘されています。特に腰痛持ちの人が、睡眠中に感じているストレスは、想像以上の負担になっています。
私なども、腰痛に苦しんでいた当時、ふと夜中に腰が痛くて目覚めたら、額にびっしりと脂汗をかいていたのを思い出します。
毎夜のこと、悪夢にうなされるような日々を過ごしていたのかと思うと、今でもゾッとします。
人間は1日の中で、平均して7時間は必ず寝なければなりません。寝床が快適であろうとなかろうと、睡眠からは逃げることができないのです。
でも、逆に考えると、安心して眠れる寝具があれば、日々のストレスを大幅に軽減できるということです。それで腰痛も改善できるのならば、願ったり叶ったりです。
それを実現できる寝具が何かと言うと、高反発マットレスなのです。それを敷いて眠るだけなので、本人は何もする必要がないというのも、いいですね。
但し、高反発マットレスの効果には個人差がありますし、お値段もそれなりに高いものなので、選ぶときには慎重に選んでみてください。
▲こちらの高反発マットレス【モットン】は、日本人の体型に合わせて設計されただけあって評判も良いようです。
使用しても効果を感じられない場合には、90日間の返金保証も付いています。
良い寝方を意識する余り、逆にストレスを抱えないこと
健康な人でも、床で寝てしまったり、ソファで寝てしまったりすると腰を痛めてしまうので、良い寝方、悪い寝方というものは確かにあると思います。
でも、良い寝方をしても睡眠中には寝返りを打ちますし、コントロールもできません。また、同じ姿勢を無理にキープすることは、かえって腰痛に良くありません。
良い寝方を意識する余り、逆にストレスを抱えてしまわないことも大事です。
これは個人的な見解ですが、「腰に負担の掛からない寝方」と「腰が痛まない寝方」というのは、同じことを言っているようでも、実は違うのだと思います。
なぜならば、「腰に負担の掛からない寝方」というのは、人間の体の構造上、腰に負担の掛からない寝方ということになります。これは一般的に言われていることです。
その一方で、「腰が痛まない寝方」というのは個人によって異なってくるはずです。腰痛と言っても、人によって痛む箇所は違いますし、腰痛を引き起こした原因も違うわけです。
そう考えると、全ての人にとって「腰が痛まない寝方」というのは、存在しないのではないでしょうか?
言えることは、寝過ぎによる腰痛の悪化には注意することです。最近の研究でも、過度の安静は、かえって腰痛に良くないという報告がされています。
あとは個人の腰痛の状況に応じて、快適な寝具が必要だと思われる方は、体圧を分散できる高反発マットレスの寝具を検討してみるのも良いと思います。
どのような方法であっても、急に腰の具合が良くなるということは滅多にありません。諦めずに、日々の腰痛改善に取り組んでいきましょう!